steal my heart
「あれ?これユチョンのカーディガンじゃ」
「そうだよ」
「なんでの部屋にあるの?」
「気に入ったから借りてきちゃった」
「…そのまま貰うつもり?」
「え」
「の考えてることなんてすぐ分かるよ」
着てみてもいい?とチャンミンは勝手にカーディガンを羽織る。やっぱりメンズだからか、私よりサイズもぴったりで似合っている気がした。
「返して下さい」
「僕の方が似合ってる、って思ったでしょ」
「…思ってない」
「嘘だ」
「嘘だよバカ!」
チャンミンに見つめられるとすぐに降参してしまう。何も隠せない。その瞳がだんだん近づいて来て、私はいつの間にかまた恋に落ちていく。無限のループだ。意志が弱い自分に呆れることもあるけど、こういう瞬間が好きだったりする。
「はユチョンに似てるな」
「初めて言われたけど、どこが?」
「扱いやすいとこ」
「チャンミン、自分が年下だって分かってる?」
「精神年齢は僕の方が上だと思うよ」
「うわぁ…信じられない」
「とりあえずこれ返す」
好みじゃなかったのか、ユチョンの大事なカーディガンを脱いで私に投げてきた。同時にふわっと良い匂いまで飛んでくる。私は思わずカーディガンを抱きしめた。
「…そんなに気に入ったの?」
「いや、チャンミンの匂いがしたから」
「変態っぽいよ、」
「だって癒されるんだもん」
「ふーん」
チャンミンはどうでも良さそうに呟いたけど、口元が少し緩んでいる。照れてるのか、それとも勝ち誇っているのか。今はどうでも良い。私があなたの心を動かしているという事実があれば、それだけで。
2010.09.27