moonlight and roses



「ユチョン…今まで気付いてあげられなくてごめんね」
「はぁ?」
「ユノのこと。2人がそんなに想い合ってるの知らなかった」
、何言ってんの?」
「ということで私は消えます」
「そうはさせない」
「いいよ、遠慮しないで」
こそ、我慢しなくていいよ」
「やだ」
「俺だってやだ!」


何を揉めているかというと、酔いつぶれたユノを誰が持って帰るか、だ。ジェジュンが世話するのが自然な流れのなのに(だってお母さんだから)、気付いたらユチョンと私が2人で取り残されていた。


「もー…誰がこんなに飲ませたの?」
「ジェジュン」
「じゃあ尚更私たち関係ないじゃん」
「そうだよねぇ」
「とりあえず私、車取ってくるから待ってて」
「え、俺が取りにいく!」
「なんで」
が信用出来ないから」
「はぁ?」
「そのまま帰っちゃいそうだもん。俺がいく」
「やだ、私がいく」


どこまでも往生際の悪い2人に、お店の人も困り顔。これ以上迷惑もかけられず、妥協案として2人でユノを車まで運ぶことにした。


「ねーユチョン、おんぶしてあげたら?」
「無理。ユノの方が大きいから」
「そうでした」
「わざと言ってる?」
「まさか。あ、星が綺麗だよ」
「また話を逸らす…」
「嘘じゃないよ。空見てみて」
「…ほんとだ」
「冬が近づいてるんだね」


ユノを後部座席に押し込んで、私はしばらく空を眺めていた。アルコールのせいか、気温は低くなっているはずなのに身体は暖かい。対照的に、ユチョンは私の隣で身震いをする。


、寒い」
「そう?」
「だって俺、飲んでないんだよ?」
「そっか、私お酒飲んでるんだ。運転出来ないじゃん」
「今更何言ってんの」
「ごめん」
「お詫びに暖めて」
「え」


駐車場でいきなり抱きしめられて、私は動揺する。でもユチョンは平気な顔。パパラッチされたらどうするんだろう。だけどあまりに堂々としているから、こっちまで開き直って、ユチョン以外感じなくなってしまった。


「ユチョン、そろそろ帰ろ?ほんとに風邪ひくよ」
「うん、もう少ししたら」
「ユノだっているのに…」
「大丈夫でしょ、あれだけ飲んでたら」


言葉の割に、大して帰りたいとは思っていない自分がいる。ユノには悪いけど、もうしばらく目を覚まさないで欲しい。すごく心地良いから。


2010.10.29