Holiday Maker




人前で疲れを見せないように頑張ることが癖で、気付いたら自分でも制御出来ないくらい具合が悪くなっている、ということが今までに何度かあった。周りに迷惑をかけるから程々に息抜きをしようと思っても、その息抜きまで頑張ってしまう。特にの前では格好良い男で居たくて、自分から弱音を吐いたことはなかった。でも結局にはいつも見抜かれるから、俺の体内環境を透視出来るんじゃないか、と疑わずにいられない。


「ユノ、昨日ちゃんと寝た?」
「寝たよ。早く帰れたから」
「でも2時間ぐらいでしょ」
「え、8時間は寝たと思うけど」
「ユチョンは1時間しか寝てないんだって」
「何でそこでユチョンが出てくるの?」
「別に。ユチョンも頑張るよね、今日仕事なのに」
「…そうだね」


素知らぬ振りをしたけど、絶対バレている。昨日はユチョンと夜通し遊んでいて、帰ったのは朝の10時。の言う通り、睡眠時間は2時間弱だ。さっきから欠伸が止まらないし、赤くなった目とクマは嘘を付けない。


「栄養ドリンク飲めばいいと思ってるでしょ」
「だって別に具合悪くないし、明日はテレビの収録だけだし…」
「分かったから寝て」
は?せっかく来たのに帰るの?」
「気が散るでしょ、ここに居たら」
「じゃあ起きてる」
「それじゃ意味ないよ」
が居てくれるなら寝る」


俺は強引に言い切ってベッドに入った。本当は今にも倒れそうなくらい眠い。30秒もしないうちに眠れる自身がある。でも目を覚ましたとき1番にの顔が見たいから、自分らしくない我が儘を言ってみた。


もその方が安心でしょ。また脱走して誰かと遊びに行くかもしれないし」
「えー帰れないじゃん、そんなの」
「うん」
「憎たらしい…!」


俺は緩む口元を隠しきれずに、楽しい気分のまま目を閉じる。分かっていたことだけど、目を覚ましたときには、が隣で俺よりも深く寝入っていた。起こさないようにそっとキスをして、綺麗な寝顔を眺める。こんなに愛しい彼女は、後にも先にもだけだ。


2011.07.26