As you like



「チャンミン、また髪型変えた?」
「え、あー結構前だけど」
「会う度に変わってる気がする」
は全然変わらないね」
「すいませんでした」
「いや、そっちの方が安心する」
「安心って危険だよ。倦怠期になるかも」
「なったら髪型変えればいいじゃん」
「…そんなもん?」
「うん」


久しぶりに会ったら、長かったチャンミンの髪が短いパーマになっていた。どんな髪型も似合うルックスが羨ましい。


「もう伸ばさないの?」
「考え中です」
「個人的な好みなんですけど」
「うん」
「私は長い方が好き」
「え、そうなの?初めて知った」
「ちなみにユノも長い方が好き」


チャンミンの隣で本を読んでいたユノが、ちょっと遅れて顔をあげた。


「ほんとに?ちゃんが言うなら伸ばそうかなぁ」
「是非お願いします。後ろでハーフアップにしてるのが好き」
「…あれ結構不評だったんだよね」
「えー何でだろうね。格好良かったよ、色気あって」
「そっかぁ。マイナー票も大事にするよ」


ユノとわきあいあい語っていたら、真ん中に座っていたチャンミンがいきなり立ち上がる。


「チャンミンどこいくの?」
「…美容院」
「は?今から?」
「エクステ付けてくる」
「いやいやいやいや、何言ってんの?」
がむかつくから」


黒いオーラをまとって玄関に向かうチャンミンを、私は後ろから追いかける。落ち着いて見えるけど、やっぱり末っ子なんだな。正直からかうのが面白くて、追い打ちをかけたい!という悪戯心を止めるのが大変だった。


「ユノといちゃついてれば?」
「ごめん、許して?今のチャンミンが1番だから」
「ほんとに?」
「うん、ほんと」
「今ユノの髪が伸びたらどうする?」
「え、多分ものすごいときめく」


ものすごい勢いで歩き出したチャンミンに、私は背後から思いっきり抱きついた。不意打ちだったのか、チャンミンはよろめいて姿勢を崩す。


「ちょっ…なにして…」
「分かってくれないから」


振り向いたチャンミンの腕を引いて、そっとキスをした。時間が一瞬止まって、また動き出したときには立場逆転。ヘアスタイル論争は終了して、またユノと並んでソファに収まっていた。


2010.09.24