always my girlfriend



久々の休日、自分の意志に反して早朝に目が覚めてしまった。普段あれだけ睡眠不足を主張しているくせに、これ以上眠れなくて、脳が活動を始める。すやすやと寝息を立てているルームメイトを起こさないように、服を着替えてキッチンに入った。身震いしながらお湯を沸かしてコーヒーをいれる。ずっと使っていたコーヒーメーカーが壊れて、もう半年が経っていた。そろそろ新しいのを買えばいいのに…と全員が思っている。でも誰も実行に移さない。男だけの生活ってそんなものだ。マグカップを持ってキッチンから出たら、丁度玄関のドアが開いてチャンミンが入って来た。そういえば昨日は1度もチャンミンに会っていない。


「あれユチョン、今日休みじゃないの?」
「目が覚めた。チャンミン昨日どこ行ってた?」
「ご想像にお任せします」
「女?」
「仕事だよ!」
「つまんないの。コーヒー飲む?」
「いらない。すぐ寝るし」
「…チャンミン」
「なに」
「それ何の痕?」
「…え」
「嘘だよ。動揺するってことは…」
「ユチョン!」
「はいはい、すいませんでした」


チャンミンをからかっていたら、ふとに会いたくなった。寝顔でも構わない。付き合い始めてからもう何年も経っているのに、不思議とに飽きたことはなかった。昨日会ったばかりでも、次の日が来たらまたすぐに会いたくなる。1年中そんな想いで、俺はを追いかけていた。憧れのひと。大好きなひと。一生側に居て欲しいひと。それが俺のガールフレンド。まだ熱いマグカップをチャンミンに押し付けて、俺はそっと家を出た。


「あれユチョン、今日休みじゃなかったっけ」
「…チャンミンにも同じこと言われた」
「だって珍しい」


いつも朝寝坊のくせに、今日に限っては起きていた。ドアを開けたら暖かい空気が流れ込んできて、急に眠気に襲われる。さっきまでの勢いが嘘みたいだ。


「睡眠不足はいいの?」
「なんか目が覚めた。こそ何で…」
「寒すぎて眠れなくなった」
「俺が来るって分かってたの?」
「いや、全然。ユチョンはいつも来てるし」
「だってすぐ会いたくなるから」
「コーヒー飲む?」
「うん」


自分では使わないくせに、高いコーヒーメーカーが置いてあるの家。中身は同じでも、何故かこっちの方が美味しく感じる。


「…美味しい」
「同じ豆使ってるのに」
「そして眠い」
「普通コーヒー飲んだら目が冴えるよね」
がいるからだよ」
「関係ないでしょ」
「あるよ。安心するの」


の手をひいて、まだ少し温もりの残るベッドに潜り込んだ。愛する人が隣にいる。それだけで幸せなのに、二度寝まで出来るなんて最高だ。ずっとこの時間が続きますように。ずっと僕のガールフレンドでいてくれますように。


2010.11.08